「すごいね」だけで終わらせない、子どもの力を伸ばす褒め方
子どもを褒めたい気持ちはあっても、気づくと「すごいね」で終わっていることがあります。
その言葉が悪いわけではありませんが、何がよかったのかが見えにくいままだと、子どもには手応えが残りにくいこともあります。
自分のどんな力が働いたのかを感じられる子は、次もやってみようという気持ちを育てやすくなります。
AppleとGoogleの認定教育者。デジタル庁のデジタル推進委員。名古屋大学で教育方法学研究に取り組んだ探究学習の専門家。子どもが自分で問いを持ち、考えたことを言葉にできる学びを大切にしています。
この記事では、次のことをお伝えします。
- つい結果に目が向く理由
- その声かけで子どもに起きやすいこと
- 家庭で言い換えたい言葉
- 自信はどう育っていくか
- みらゼミが大切にしていること
子どもが自分の言葉で考えようとする場面は、日々の会話の中にたくさんあります。家庭でうまくいかない日があっても、問いを大切にする姿勢は少しずつ伝わっていきます。
つい結果に目が向く理由
子どもを褒めたい気持ちはあっても、気づくと「すごいね」で終わっていることがあります。テストでよい点を取ったとき、工作がきれいにできたとき、発表をがんばったとき。分かりやすい成果が見えると、その言葉が自然に出てきます。
ご家庭で子どもと向き合っていると、こんな場面はありませんか。
- どう答えればよいのか、その場で迷ってしまう
- 急いでいると、会話を早く終わらせたくなる
こうしたやり取りは、多くのご家庭にある自然な場面です。
子どもを認めたい気持ちがあるからこそ、見えやすい結果に目が向くことがあります。それ自体は悪いことではありませんし、「すごいね」という言葉に励まされる場面もあります。
ただ、その一言だけで終わることが続くと、子どもは何がよかったのかをつかみにくいままになることがあります。結果は分かっても、自分のどの力が働いたのか、どこをがんばれたのかが残りにくいのです。
褒め方を変えるというより、見ている場所を少し変えることが大切です。結果の前にあった考え方や取り組み方に目を向けられると、子どもが受け取るものも変わっていきます。
その声かけで子どもに起きやすいこと
結果に向けた言葉が中心になると、子どもはうまくいった日には自信を持ちやすくなります。一方で、うまくいかなかった日は、自分の中に残るものが少なくなることがあります。
たとえば、テストで九十点を取った日に「すごいね」と言われるのはうれしいことです。けれど、考え直して解き直したことや、途中で投げ出さずに向き合ったことに触れられないと、「点がよかったから認められた」と受け取りやすくなります。
反対に、思ったような結果が出なかった日に、途中で考えたことや試したことを見てもらえると、子どもには別の手応えが残ります。うまくいかなかった日にも、自分の中に残るものがあると、次の挑戦につながりやすくなります。
それは、結果を褒めてはいけないという話ではありません。結果と一緒に、その子の中で働いた力にも言葉を向けると、褒められ方の受け止め方が変わっていきます。
同じ場面でも、言葉の選び方が変わると子どもの反応は少しずつ変わっていきます。
つい起こりがちなこと
- 大人が先に答えを言ってしまう
- 会話がすぐに終わってしまう
学びにつながりやすい関わり
- すぐに答えを言わず、子どもの言葉を待つ
- どう思ったのかを聞いて会話を続ける
家庭で言い換えたい言葉
「そこを自分で考えたんだね」「最後までやってみたね」と返すと、子どもは見てもらえた点を受け取りやすくなります。何がよかったのかが具体的に見えると、その子の中に行動の手応えが残ります。
「どう工夫したの」「どこが難しかった」と聞いてみるのもよい返し方です。褒めるだけでなく、子ども自身が自分の取り組みを思い出せると、「自分はこうやってできた」という感覚を持ちやすくなります。
たとえば、作文なら「たくさん書けたね」だけでなく、「自分の気持ちをちゃんと入れて書けたね」と返す。算数なら「全部合っていたね」だけでなく、「分からないところで止まらずに見直したんだね」と返す。そうした言葉は、結果より前にあった努力や工夫を見える形にしてくれます。
褒め言葉を増やすことより、子どもが自分の行動を手応えとして受け取れる言葉を選ぶことが大切です。その積み重ねが、自分の力の使い方を少しずつ分かることにつながっていきます。
自信はどう育っていくか
自分のどんな力が働いたのかを感じられる子は、次もやってみようという気持ちを育てやすくなります。「自分はここを工夫できた」「ここで踏ん張れた」と思えることが、自信の土台になるからです。
自信は、大きな成功だけで育つわけではありません。自分の考えや行動を見てもらえた経験の中で、少しずつ育っていきます。結果がよかった日だけでなく、途中で迷った日や失敗した日にも、自分の中に残るものがあると、子どもは前より挑戦しやすくなります。
結果に一喜一憂するだけではなく、自分がどう取り組んだかを振り返れる子は、次の挑戦にも向かいやすくなります。褒め方は、その子に自信を与える言葉というより、自分の力を見つける手助けのようなものなのだと思います。
「またやってみよう」と思える子の背景には、自分の中の変化を見てもらえた経験があります。そこに気づける言葉があると、学ぶことは点数や評価だけの時間ではなくなっていきます。
ご家庭での関わり方と教室での学びがつながると、子どもの言葉や表情は少しずつ変わっていきます。ここからは、みらゼミが授業の中で大切にしていることをお伝えします。
みらゼミが大切にしていること
みらい人材ゼミナールでは、子どもが何を考え、どこを工夫し、どのように伝えたかを大切に見ています。
答えそのものだけでなく、学びの中で働いた力に目を向けることが、子どもの自信や学ぶ意欲につながると考えているからです。よい結果が出たかどうかより、その子が自分の力をどう使えたかを言葉にしていくことを大事にしています。
ご家庭でも、結果と一緒に過程を見てもらえると、子どもは学ぶ時間を前向きに受け取りやすくなります。褒められた経験が、その子の次の挑戦を支える形で残っていくからです。
みらゼミでは、子どもが自分で問いを持ち、考えたことを言葉にしていける授業を大切にしています。
ご家庭での関わり方とあわせて、子どもの学び方を育てる場を探している方は、ぜひ授業の雰囲気をご覧ください。