褒めているのにうれしそうに見えないとき、親が知っておきたいこと
褒めているのに、子どもがあまりうれしそうに見えないと感じることがあります。
せっかく認める言葉をかけたのに反応が薄いと、言い方がよくなかったのか、そもそも褒めないほうがいいのかと迷うことがあります。けれど、子どもが反応しないからといって、言葉が届いていないとは限りません。
子どもが本当に見てほしいところに言葉が届くと、自信は少しずつ内側から育っていきます。大切なのは、褒め言葉の量より、どこを見て言葉をかけているかです。
AppleとGoogleの認定教育者。デジタル庁のデジタル推進委員。名古屋大学で教育方法学研究に取り組んだ探究学習の専門家。子どもが自分で問いを持ち、考えたことを言葉にできる学びを大切にしています。
この記事では、次のことをお伝えします。
- 褒めても反応が薄く見えるのはなぜか
- 言葉が届きにくいときに起きていること
- 家庭で見直したい声かけ
- 自信はどこから育っていくのか
- みらゼミが大切にしていること
子どもが自分の言葉で考えようとする場面は、日々の会話の中にたくさんあります。家庭でうまくいかない日があっても、問いを大切にする姿勢は少しずつ伝わっていきます。
褒めても反応が薄く見えるのはなぜか
褒めているのに、子どもがあまりうれしそうに見えないと感じることがあります。笑顔になるわけでもなく、言葉が返ってくるわけでもなく、なんとなく反応が薄い。そんな場面は珍しくありません。
ご家庭で子どもと向き合っていると、こんな場面はありませんか。
- どう答えればよいのか、その場で迷ってしまう
- 急いでいると、会話を早く終わらせたくなる
こうしたやり取りは、多くのご家庭にある自然な場面です。
子どもがそう見える理由は一つではありません。人前で褒められると照れてしまう子もいますし、うれしいけれど表情に出にくい子もいます。反応が小さいからといって、気持ちが動いていないとは限りません。
もう一つ大きいのは、見てほしい場所のずれです。親は「結果がよかったから褒めたい」と思っていても、子どもは「そこに行くまでに考えたことを見てほしい」と感じていることがあります。そこが合わないと、褒め言葉に少し距離が出ることがあります。
反応の薄さは、褒め方が間違っていたというより、子どもの受け取り方を知るきっかけと考えるほうが自然です。
言葉が届きにくいときに起きていること
「すごいね」「えらいね」と言われても、子どもの中では何がすごかったのかがはっきり見えていないことがあります。自分では、最後までやったことや、一度失敗したあとにやり直したことのほうに手応えを感じているのに、結果だけに言葉がかかると、少しかみ合わない感じが残ることがあります。
褒め言葉が届きにくいときは、子どもが認められたくないのではありません。むしろ、自分が大事にしているところを見てほしい気持ちがあるからこそ、ずれを感じやすいことがあります。
たとえば、テストでよい点を取ったときでも、子どもは「前より時間をかけて見直した」「難しい問題を自分で考えた」ということに意味を感じているかもしれません。そこが見えていないまま結果だけを褒められると、うれしさが表に出にくいことがあります。
反応が薄い子を見て、もっと強く褒めたほうがいいのではと考えることがあります。けれど、言葉を増やすことより、見ている場所を少し変えるほうが届きやすいことは多くあります。
同じ場面でも、言葉の選び方が変わると子どもの反応は少しずつ変わっていきます。
つい起こりがちなこと
- 大人が先に答えを言ってしまう
- 会話がすぐに終わってしまう
学びにつながりやすい関わり
- すぐに答えを言わず、子どもの言葉を待つ
- どう思ったのかを聞いて会話を続ける
家庭で見直したい声かけ
褒めたあとに、「どこがいちばん大変だった?」「そこはどうやってやったの?」と聞いてみると、子どもは自分の取り組みを思い出しやすくなります。褒めることをやめるのではなく、その先にもう一歩会話をつなぐイメージです。
「そこまで続けたんだね」「自分で考えたところがよかったね」と返すと、子どもは見てもらえた点をつかみやすくなります。結果そのものより、自分が時間を使ったところに言葉が届くと、前より素直に受け取りやすくなる子もいます。
うれしそうに見えないときほど、「この子は何を見てほしいのかな」と考えてみることが大切です。絵なら完成した作品だけでなく、色を選んだところややり直したところに目を向ける。勉強なら点数だけでなく、前より考えたところや続けたところを見る。そうした視線の変化が、言葉の届き方を変えていきます。
毎回うまくいく必要はありません。褒めたあとに少し引っかかりが残ったら、次の機会に見ている場所を変えてみる。その積み重ねで十分です。
自信はどこから育っていくのか
子どもの自信は、大きな成功だけで育つわけではありません。自分が考えたこと、工夫したこと、やり直したことを見てもらえた経験の中で、少しずつ育っていきます。
結果だけでなく、自分の取り組みを言葉にしてもらえると、子どもは「自分にはこういう力がある」と感じやすくなります。その感覚があると、うまくいかなかった日にも、自分を全部否定しにくくなります。
褒めても反応が薄いからといって、褒めることが無駄なわけではありません。むしろ、どんな言葉がこの子に届きやすいのかを知っていく大事な時間でもあります。子どもが受け取りやすい言葉が見つかると、自信は外から押し込まれるのではなく、内側から育っていきます。
反応の大きさではなく、子どもの中に何が残るかを見ることが、長い目で見るといちばん大切です。
ご家庭での関わり方と教室での学びがつながると、子どもの言葉や表情は少しずつ変わっていきます。ここからは、みらゼミが授業の中で大切にしていることをお伝えします。
みらゼミが大切にしていること
みらい人材ゼミナールでは、子どもが何を考え、どこを工夫し、どのように伝えたかを大切に見ています。答えそのものだけでなく、学びの中で働いた力に目を向けることが、子どもの自信や学ぶ意欲につながると考えているからです。
教室でも、できたかどうかだけでなく、どう考えたかを言葉にしてもらう時間を大切にしています。自分の考えを受け止めてもらえる経験が重なると、子どもは前より安心して学びに向かいやすくなります。
家庭でも、結果とあわせて過程に目を向けてもらえると、教室での学びとつながりやすくなります。子どもが本当に見てほしいところに言葉が届くと、自信は少しずつ育っていきます。
みらゼミでは、子どもが自分で問いを持ち、考えたことを言葉にしていける授業を大切にしています。
ご家庭での関わり方とあわせて、子どもの学び方を育てる場を探している方は、ぜひ授業の雰囲気をご覧ください。