宿題をめぐって親子でぶつかってしまうとき、親が見直したい関わり方
宿題の時間になると空気が重くなり、言い合いになってしまうことがあります。
親としては、やらせたいわけでも怒りたいわけでもなく、きちんと終えてほしいと思っているだけなのに、気づけば毎回同じ流れになってしまう。そんな悩みは少なくありません。
宿題の時間が責め合う時間ではなく、考える時間として残ると、子どもの学びへの向かい方も少しずつ変わっていきます。そのために見直したいのは、量より先に、親子のやり取りの流れです。
AppleとGoogleの認定教育者。デジタル庁のデジタル推進委員。名古屋大学で教育方法学研究に取り組んだ探究学習の専門家。子どもが自分で問いを持ち、考えたことを言葉にできる学びを大切にしています。
この記事では、次のことをお伝えします。
- 宿題の時間にぶつかりやすくなる理由
- 言い合いが続くと何が起きるか
- 家庭で変えやすい関わり方
- 宿題の時間はどう変わっていくか
- みらゼミが大切にしていること
子どもが自分の言葉で考えようとする場面は、日々の会話の中にたくさんあります。家庭でうまくいかない日があっても、問いを大切にする姿勢は少しずつ伝わっていきます。
宿題の時間にぶつかりやすくなる理由
宿題の時間が重たくなりやすいのは、その日の疲れが出やすい時間だからです。子どもは学校で多くのことをこなし、親も夕方にはやることが重なります。お互いに余裕が少ない中で宿題が始まると、ちょっとした一言でも空気が変わりやすくなります。
ご家庭で子どもと向き合っていると、こんな場面はありませんか。
- どう答えればよいのか、その場で迷ってしまう
- 急いでいると、会話を早く終わらせたくなる
こうしたやり取りは、多くのご家庭にある自然な場面です。
子どもが手を止めると、親は「早くやってほしい」と思います。けれど、子どもは「分からない」「やりたくない」「疲れた」といった気持ちをうまく分けて言えないことがあります。そのため、勉強の内容だけでなく、気持ちそのものがぶつかりやすくなります。
親にとっては「ちゃんとやろうとしているのに進まない」、子どもにとっては「分からないのに責められる」。そんなずれが重なると、宿題そのものより、言い合いのほうが前に出てしまいます。
毎日のことだからこそ、一度こじれると同じ流れをくり返しやすくなります。宿題の話をする前から、お互いに身構えてしまう家庭もあります。
言い合いが続くと何が起きるか
宿題をめぐる言い合いが続くと、子どもは問題に向かう前に気持ちがいっぱいになりやすくなります。どこが分からないのかを考えるより先に、「また怒られるかもしれない」という気持ちが出てきてしまうからです。
親の側も、何度言っても進まないと、つい強い言葉が出やすくなります。すると、子どもはますます言葉が少なくなり、「分からない」「できない」だけで会話が止まりやすくなります。そこで親の気持ちもしだいに張りつめ、ぶつかりやすい流れができやすくなります。
こうなると、宿題は学ぶ時間というより、気持ちをぶつけ合う時間になってしまいます。子どもにとっては、分からないことに向き合う力より、早く終わらせて逃れたい気持ちが強くなりやすくなります。
大切なのは、誰が悪いかを決めることではありません。言い合いが起きやすい流れをどう変えるかを見ることです。流れが変わると、同じ宿題でも受け止め方が変わってきます。
同じ場面でも、言葉の選び方が変わると子どもの反応は少しずつ変わっていきます。
つい起こりがちなこと
- 大人が先に答えを言ってしまう
- 会話がすぐに終わってしまう
学びにつながりやすい関わり
- すぐに答えを言わず、子どもの言葉を待つ
- どう思ったのかを聞いて会話を続ける
家庭で変えやすい関わり方
言い合いになりそうなときは、すぐに内容へ入るより、「どこで止まってる?」と場所を小さく聞き直すと、会話が少し変わることがあります。子どもは「全部いやだ」ではなく、「この問題が分からない」「ここから進まない」と言いやすくなります。
親が一気に説明したくなる場面でも、最初の一言を短くするほうが届きやすいことがあります。「何が分からないの」「ちゃんとやって」ではなく、「問題文を一緒に見ようか」「ここまで読んだんだね」と返すだけでも、責められている感じが薄くなります。
どうしても空気が悪くなる日は、その場で全部終わらせることにこだわりすぎなくてもかまいません。「五分休んでからもう一度見よう」「今日は先生に聞くところを決めよう」と区切ることも、関わり方の一つです。最後までやり切ることより、宿題の時間をこじらせすぎないことのほうが大事な日もあります。
親子でぶつかる日のあとに、「昨日はお互いしんどかったね」と言葉にすることも意味があります。やり取りをなかったことにせず、次はどうしたいかを少し話せると、同じ流れをくり返しにくくなります。
宿題の時間はどう変わっていくか
宿題の時間が責め合う時間ではなく、考える時間として残ると、子どもの学びへの向かい方も変わっていきます。すぐに劇的に変わるわけではありませんが、「分からない」と言っても大丈夫だと思えるだけで、前より考えを出しやすくなります。
分からない場面で少し考えてから人に頼る経験がある子は、学校の勉強でも、ただ止まるのではなく、自分なりの言葉で困りごとを伝えやすくなります。家庭でのやり取りは、その土台になります。
宿題の時間が穏やかになると、親も子も少し余白を持ちやすくなります。そこで初めて、勉強の内容そのものに目を向けやすくなります。気持ちがぶつかる時間を減らすことは、学びを甘くすることではなく、学びに向かいやすい形を作ることです。
毎日の積み重ねの中で、宿題への向かい方は少しずつ変わっていきます。だからこそ、一度の言い合いだけで決めつけず、流れを変える小さな工夫を重ねていきたいと思います。
ご家庭での関わり方と教室での学びがつながると、子どもの言葉や表情は少しずつ変わっていきます。ここからは、みらゼミが授業の中で大切にしていることをお伝えします。
みらゼミが大切にしていること
みらい人材ゼミナールでは、子どもが分からない場面で立ち止まり、自分の考えを言葉にしながら学ぶ時間を大切にしています。すぐに正解を受け取るのではなく、問いを持ち、考え、伝える過程にこそ、学びの力が育つと考えているからです。
教室でも、子どもがどこで止まっているのかを一緒に確かめながら、自分の言葉で考えを出していけるように支えています。責められる場ではなく、考えてよい場だと感じられることが、学びに向かう力を支えます。
家庭での関わり方と教室での学びがつながると、子どもの表情や言葉は少しずつ変わっていきます。宿題をめぐるやり取りも、見方を変えれば学び方を育てる入り口になります。
みらゼミでは、子どもが自分で問いを持ち、考えたことを言葉にしていける授業を大切にしています。
ご家庭での関わり方とあわせて、子どもの学び方を育てる場を探している方は、ぜひ授業の雰囲気をご覧ください。